歴史の街「足利」から映像の街「足利」へ

 筆者は敢えて批判的(嫌味な)で無責任な書き方を選択していますが、この構想に大賛成である事を前置きします。        brainnet@bnet.co.jp

映 像 の ま ち 「 足 利 」

 平成26年2月現在、足利市は「映像のまち」をキャッチフレーズとする「街づくり」に取り組みはじめています。
 大変喜ばしい事なので、祝福を込めて、用語解説のページを作ってみました。原本は市のホームページからダウンロード可能な資料に基づきます。
 これまでの足利市の施策とは一線を画した知的取り組みであり、非常に興味をそそられる内容です。
 なお、当然のことですが記載内容に関して、一切責任は負いません。誤りなどのご指摘はメールにてお願いします。

    参照 :  (足利市のHP転載<http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/page/eizounomachi.html>)

ところで「映像のまち」って何だろう?

 ところで「映像のまち」というキャッチフレーズから、皆さんはどのような事を想像するのでしょうか?
 正直、筆者には市の広報の範囲から詳細をイメージする事はできませんでした。HPを見るとさらに混乱に拍車がかかります。(横文字が多すぎ!)
 そこで手始めに、「映像のまち」と聞いた人は「どんな街を想像するのか?」というテーマで身近な人と話をしてみました。
 ※ 以下の記載は、HPの記載内容を理解したうえで、あえて勘違い回答を想像したものです。
 ● 「映像のまち」の勘違い!
  ・ 京都にある「東映太秦映画村」のような施設を作るんじゃないか?
  ・ 足利を舞台にした映画を作るんじゃないか?
  ・ 足利で撮影するんじゃないか?
  ・ 足利で映画祭などを催すのでは無いか?
  ・ 足利の映像をネットなどで広めてPRするんじゃないか?
  ・ 映画館などの映像関連施設を作り、映画文化の浸透を図るのではないか?
  ・ 映画パークを作るのではないか?

 すべて間違えのようです。参照資料中の市長のコメントに次のような文章があります。
 『足利を映像産業の集積基地にすること」です。その核となるのが、アジア最大の撮影スタジオの誘致です。

 ということで、このホームページでは、「撮影スタジオを誘致する」事について、市のHPの簡素な資料の難解な用語を解説したいと思います。
 その上で、そこには、多くの若者が望む「かっこいい」仕事が生まれるのだ…と云う事が伝われば良いなと考えています。
 やはり我々「大人」の役割は、若者が望む仕事の場を提供する事なのですから。
 


足利市のHPより抜粋・転載

 さて、勘違いパターンを並べたところで、引き続き足利市のHPに記載されていた内容をしっかりと見てゆきます。
 ただし、筆者は「撮影スタジオの誘致」が重要であると考えており、その副次的効果に関しては懐疑的です。従いまして「撮影スタジオ誘致」に関係の無い事に関しては一切触れないようにしていますので、ご理解ください。

(足利市HPより抜粋)
 足利市を「映像のまち」へ!
 この構想は、 “映像”という新たな視点を「まちづくり」の基軸に据え、映像をコンセプトとした多彩なプロジェクトを官民一体となって実施することにより、 足利市の産業と観光を大胆に変えていこうとするものです。
 
アジア最大の撮影スタジオを誘致することにより、首都圏を中心とした映像制作やロケーション活動の拠点を作ります。
 そして、このスタジオが起爆剤(核)となり国内外の様々な映像需要を足利市に誘引することで、新しいビジネスと雇用を生み出します。
 将来に向かって伝統産業を残しつつ、映像に関連した新しい産業が集積する足利ならではの都市をつくっていきます。
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/23015.pdf

※ 上の文章は提示したホームページの記載原文を抜粋しています。赤字で示す範囲が構想の「核」です。それ以外は興味がある人だけ読みましょう。

 なお、抜粋掲載文章には引き続き「まちなかの新たな誘客と中心市街地の再生に繋げていきます。」とあります。しかし過去、同様の文言を何度も聞きながら、一度として成功した話を聞きませんので、無意味な内容と判断しました。掲載は見送っています。筆者は、この構想が「人を育て、技術を育て、集約するまちづくり」を目指すものだと理解して文章を書いています。


「映像」は芸術品です。取り扱いの注意をお忘れなく

 足利市のHPの前文を読んで、あまりにも壮大で、どれだけの時間と費用が掛かるのかと感じた人は恐らく正常な神経の持ち主です。
 筆者の妻も「こんな夢物語…」と言うのですが、そんな夢物語だからこそ目指す価値もあるのでは無いでしょうか?
 そこで、「映像」作成に必要な事は必ずしも設備ではない。先ずは人の情熱であると言う事を示してくれた出来事が最近ありましたのでご紹介します。

努力を惜しまない若者。それを応援できる街になって欲しい…上から目線は要注意!
 尊敬に値する映像作家の話です。2014年2月2日からフランス・クレルモン・フェランで行われた世界最大級の短編映画の祭典「クレルモンフェラン映画祭」に日本からノミネートされた「Junk Head 1」が、国際コンペ部門でアニメーション賞を受賞した件です。
 この作品は、作者の堀貴秀氏が4年間をかけて、仕事をしながらほぼ一人で制作したコマ撮りアニメです。
 こうした作者・作品を尊敬し、支援し、その努力を賞賛できる街になる事が、「映像のまち」への第一歩でしょう。
 夢物語かもしれませんが、「映像のまち足利」を目指すことで、やがてこうした人が誕生する事になるかも知れないのです。
本人のブログ  /  他の紹介していたページ                               ■ Junk Head 1 ■
          
YouYouTubeより
 全くの余談なのですが、ゲームやアニメーションは視野の外なのでしょうか?
 パソコンシミュレーションゲームの信長の野望で一世を風靡した株式会社コーエーは足利市今福町に会社を設立したのが第一歩であった事は有名な話。ゲームグラフィックシステムと後述するVFX技術は共通するものであり、同様にアニメーション製作にも関係しています。
 不思議な話ですが、足利は「昔は映像のまち」だったのですね…イチからやり直しですね。


市役所の資料は難しすぎる。カタカナ文字では意味不明!

 本題に戻り、足利市のHPの添付PDF文書から「映像のまち」構想の骨子を抜き出して書いてみました。基本になるのは、次の3点のようです。

「映像のまち」 構想イメージ図より抜粋
・ アジア最大の撮影スタジオを誘致/最新の撮影設備(VFX
・ 大規模新産業団地/デジタルビレッジ
ポストプロダクション
・ オープンセット
建設

 しかし…市役所の資料というのは、知的水準が高過ぎるのです。横文字を並べられても理解できません。少し単語解説を行います。

@ 撮影スタジオとは?
 そもそも撮影スタジオと言われても漠然としているので、現実を見て見ましょう。老若男女誰でも知っている施設として東映東京撮影所でと東宝スタジオなどが参考になりそうです。下にインライン表示していますが、詳細はリンク先から見てください。(アジア最大というからには、この規模を凌駕するスタジオとなるのでしょうか?)



 他にも東京都内にはレンタルスタジオも多数あります。病院やコンビニ、一戸建て住宅などさまざまな撮影場面のニーズに対応しているようです。
 ※ 商業ベースで考えた時、室内撮影などは交通の便が良い地域の施設が充分に需要を満たしており、屋外オープンセットも後述するVFX技術の進歩によりコスト削減の対象になってきています。 むしろVFXでは満たす事の出来ない自然な風景を安全、便利に提供できると誘致には有利ではないでしょうか?

A 最新の撮影設備(VFX)とは?

 本当に市役所の資料は理解できない言葉のオンパレードです。VFXとは何でしょうか?ウィキペディアを参照しました。

   VFX(ブイエフエックス)とは、Visual Effects(ビジュアル・エフェクツ)の略です。ここでEffects(効果)の省略にFXと表記するのは発音が似ている為だそうです。そのVFXは、特撮を用いた映画やテレビドラマにおいて、現実には見ることのできない画面効果を実現するための技術のことを指します。視覚効果(しかくこうか)ともいいます。
 撮影現場で行われる特殊効果(SFX)とは異なり、撮影後のポストプロダクション(撮影後の作業)段階に付け加えられる効果をVFXと言うそうです。
 VFXは次のような技術の総称です。
 ・ デジタル合成
 ・ コンピュータグラフィックス 
 ・ 3DCG
 ・ CGI
 ・ マッチムーブ(動画合成作業における素材の動きを合わせる合成技術)
 ・ デジタルリムーバル(不用な背景などの消去)

 ○ 既に気づいてしまった人も居るかも知れませんが、VFXは撮影の設備ではありません。編集・加工の設備です。

※ 補足として株式会社IMAGICA VFX/CGプロデューサー 西尾 健太郎氏の記事がありましたのでご紹介します。

※ 興味と時間がある人は、株式会社IMAGICAの他のエンジニアのコラムもご覧ください。現代の映像技術に求められる基礎知識を覗けます。
 

 撮影工程における特殊効果がSFX。これは撮影スタジオで用いられる技術。VFXは撮影後の工程。編集工程などに位置します。つまりVFXは撮影とは別です。
 しかし映像製作としては、撮影と編集は一体の作業。そして撮影コストを削減するためにVFXの活用は増加傾向にあるようです。つまりVFX技術が足利に根付く事は、映像製作におけるアドバンテージ(強み)を握る事になるようです。だからこそ「人を育て、技術を育て、集約する」必要があると思います。
 なお、先の西尾健太郎氏のコラムにあるとおり、”VFX”という言葉そのものは総称であり具体的な技術・設備を指す名詞では無いようです。ご注意を!
なお、VFX-JAPANという業界団体もあるそうです。興味のある方はご覧ください。


B デジタルビレッジとは?
 これは言いたいことはわかりますが、直訳すると恐ろしい言葉になります。
デジタルの意味→“連続的”という意味のアナログに対して、デジタルは“離散的”という意味です。つまり「デジタルビレッジ」とは、「離散的村落」(笑)となります。
さて、続けて「デジタル・ビレッジ」を調べます。次のような記事がありました。

デジタルで構築された仮想都市空間の俗称。または、全ての家庭と施設がネットワークで接続され、サイバースペースの中に構築された村や街の総称。橋本大二郎高知県知事が主導するプロジェクトの情報生活維新の1つとして、四万十川の流域に展開する高知デジタル・ビレッジ構想が発表されている。また、米国ではAppleMasterの1人で、The Hitch Hiker's Guide to the Galaxy(銀河ヒッチハイク・ガイド)のベストセラー作家ダグラス・アダムス(Douglas Adams)が主要メンバーとして活躍するオンライン・コミュニティもThe Digital Village(デジタル・ビレッジ)という。


 どうやらこれも市が意図する事とは違うようです。市が公開する資料である以上、きちんと定義を定めてほしいですね。
 今回の構想における「デジタルビレッジ」とは、安定した電力供給、保安設備が整い、かつ高度な閉鎖型通信インフラの整った小規模ニーズにも対応可能なオフィスパークのようなものでしょうか?「スタジオ誘致」に伴う協力企業の受け皿なのでしょうね。

【日本のVFX製作会社】
     ※ クリックしてください。
IMAGICA
エヌ・デザイン
オムニバス・ジャパン
オー・エル・エム
白組
スタジオ・バックホーン
デジタル・フロンティア
東映アニメーション
日本映像クリエイティブ
日本エフェクトセンター
ピクチャーエレメント
マリンポスト
Motor/lieZ (イマージュ)
ルーデンス

※ 海外企業は更に大規模な会社が多い印象ですが、足利に来るとは考えられないので省略しました。


C ポストプロダクションとは?
 いい加減にしてくれと言うべきなのか、それとも一般人が理解する必要は無いのか悩みます。
 再びウィキペディアを参照します。

 ポストプロダクション (Post-production)と は、放送やパッケージメディアなどの映像作品、映画の製作における撮影後の作業の総称。この作業を担当するスタジオないし制作会社のことを指す場合もある。俗にポスプロと略される。

※ ポストプロダクションの作業
 ・ 映像編集
 ・ 音楽の編集
 ・ ナレーションの録音・アフレコや効果音の追加(MA)
 ・ VFXの追加合成。
 ・ 映像/音声の補正・修正(カラコレなど)
 ・ テレシネ(フィルムから電気信号への変換)
 ・ DVDのオーサリング
 ・ レーザーディスクのプリマスタリング
 ・ 素材・マスターテープのダビング・方式変換
 なるほど…こうした会社をデジタルビレッジに誘致したいと考えているようです。
 であるならば、人的インフラの整備は物理的なインフラ整備に先立つ必要がありそうです。それらの事業者からの直接的な人材の需要もあるでしょうが、高度な設備も運用するには、維持、管理、運営の人材が必要でしょう。そうした人材の供給こそ「足利氏の歴史」本文で逐次触れた通り、足利の歴史上の意義そのものです。
 足利は義国下向以後、京都の先進的な文明を受け入れ、代々の領主が人材育成に力を注ぎ、その結果、高度な人材資源を生み出す地となりました。やがて足利義氏の代にはそうじた人材が三河をはじめとして全国に広がり、後の室町、江戸の両幕府における礎ともなりました。そして今再び、そうした機会が訪れようとしていると考えると、未来に希望が見える気がします。


D オープンセットは?
 オープンセットに関しては説明の必要も無い話です。しかし、京都の株式会社東映京都スタジオ(東映太秦映画村)のように常設設備なのか、太平記のロケセットのような仮設なのかで賛否わかれるでしょう。
 因みに現在、寺岡町に「バンクーバーの朝日」という映画の撮影のたにオープンセットが組まれはじめているそうです。詳細はこちらのブログにありました。


市長の言葉を言質にとろう!

最近あごひげを伸ばしたようで、さながら達磨大師といった風貌です。その市長の記述に良い事が書いてあったので抜粋します。

(抜粋1)
「映画でまちづくりなら、いろんなところでやっているよ」と思う方がいるかもしれません。しかし、私たちが目指すのは、映画でのまちおこしや、最近、はやりのフィルムコミッション(※)ではなく、「足利を映像産業の集積基地にすること」です。その核となるのが、アジア最大の撮影スタジオの誘致です。(〜中略〜)撮影後の編集作業ができる施設や、スタッフ・俳優が泊まり込みで作業できる施設などを付け足していきます。

 この人は海外駐在経験があるだけに視点が違うようです。やはり中核産業となる企業の有無が街の未来を左右すると考えているようです。中核企業が人を集め、育てる事を良くご存知のようです。
 ここで重要な事は、「フィルム・コミッションではない」と言い切っている点です。その上で、スタジオ誘致が核であるとしています。
 更に「撮影後の編集作業=VFXが出来る施設を付け足してゆく」という事は、そうした技術者が足利で仕事が出来ると言う事でしょう。

※ フィルム・コミッションとは?
フィルム・コミッション(英語:Film Commission)は、映画等の撮影場所誘致や撮影支援をする機関である。地方公共団体(都道府県・市町村)か、観光協会の一部署が事務局を担当していることが多い。映画撮影などを誘致することによって地域活性化、文化振興、観光振興を図るのが狙いとされるため、地方公共団体が担当している場合、その部署はそのいずれかの関連部署になっているようである(ごくまれだが、フィルムコミッションそのものの担当部署を設けているところもある)。
簡単に言えば、「場所貸し」だけという事!


(抜粋2)
 私の最終目標は、(〜中略〜)夜になると、中心市街地のおしゃれなカフェで、映像の世界を目指す無精ひげをはやした若者が、安い酒を片手に激論を交わしている、そしてそれを市民が遠巻きに温かい笑顔で見守っている、という風景です。

 抜粋1と2の間には、非常に刹那的な足利活性化のイメージが記されていましたが、企業プレゼンテーションとしては落第点だと思うので省略しました。
 理由は簡単で、企業にとって重要な3原則、…コスト削減、時間短縮、品質向上の三原則がゴッソリ抜け落ちています。これは駄目ですね。
 しかし、抜粋2の目標は、表現こそ微妙ですがすばらしい理想だと思います。「若者」が活きていける街づくりこそ重要ですから…

 次に、ホームページに「支援策に関する基本方針」が乗っていましたので、市民に関係する第4項だけ拾ってみました。

第4 市民参加
 市民エキストラ登録制度等を創設し、市民参加による映像制作のための支援体制を構築する。
 また、ロケーション活動に協力いただける民間施設や、サービス関連業者等による登録制度等を創設し支援体制の充実を図るとともに、貴重な撮影スポットについては、保全・整備のための助成措置を検討する。

 建前は大切ですが、魂が入ってない。先ずは「足利」を映像にした時、恥ずかしくない街にすることが大切です。
 映像の製作支援より、映像作家・監督に選ばれる街づくりこそ急務ではありませんか?京都を参考にすると良くわかります。
 京都は大変素晴らしい街です。そしてほんの少しだけゆっくりと見て回れば、その素晴らしさの理由が名所旧跡の数であるとか、美しい山野に囲まれている為では無いことに気付かされます。それは次の通りです…

 ・ 家の周りに雑草が伸びっぱなしになどなっていない。バケツや洗面器、ブロックなど散乱していない。
 ・ 公園、グラウンドなどの施設で雑草は茂っていない。設備の落書きなど無い。
 ・ 休耕田であっても田畑を雑草畑にしていない。
 ・ 川の土手、川原などを雑草だらけにしない。ごみが落ちてない。
 ・ 道端に雑草が無い。雑多な資材が見えるように野積みされてない。
 ・ 倒木や枝などが放置・散乱していない。

批判的ですが、列挙した事柄は「足利では出来ていない事」です。こういう事は、自治体の仕事ではなく、市民の日常行動の違いでしょうか?市民参加というのは、京都市民のように街に誇りを感じて常に「撮られる」事を意識する事からはじめる事だと感じています。
そして、目指す所として「街じゅうが映画村」という具合になると素晴らしいですね。

余談ですが、市役所の裏手にあった某富豪の旧宅がいつの間にか分譲住宅に様変わりしてしまいました…足利を守る為の時間は残り僅かなようです。
街中にも栃木に負けない「蔵」や、情緒あふれる「路地」も残されていますが、区画整理により破壊の危機に瀕しています。
幸いにも個人の努力で残されている「松村写真館」や市役所近くにあるイケメン親父シェフと美人妻の店「ポルカ」など映像に映える店もまだ残されています。
早く事業が軌道に乗ることを願わずに居られません。
そして「保全・整備の助成」が行われる際には、先ず行道山の参道の石段修復や、名草弁財天周辺の惨状の修復などから使ってほしいものです。


足利はどう変わるのだろうか?

 「足利」が「映像のまち」になるとどうなるのだろう?…そんな未来を考えてみました。

 【前提】 
 小規模であっても撮影作業が単独で完結する「スタジオ」が誘致される。 → スタジオ誘致
 撮影の後工程(ポストプロダクション)を行う個人、小企業などが集約的に誘致される。 → デジタルビレッジ

 【運用イメージ】
 撮影プロジェクトごとに、撮影スタッフ、俳優、機材、資材、建設スタッフなどがスタジオに運び込まれ、その設置など人力作業が求められる。
 他にも力を使う単純作業、労働、給仕などの仕事や、食事や消耗資材などの調達が地元で行われる。
 舞台装置などは当然、東京の専門業者が行うでしょうがその下で働く労働力が求められる。
 CMやドラマなどの小規模・小予算の撮影では舞台装置は東京近郊のレンタルスタジオを利用する為需要は無い。しかし、山や川や古民家、寺院などはレンタルスタジオでは賄えない物を求める場合、足利のスタジオを選択する。
 映像データはデジタル送信可能。原則としては撮影の後工程(ポストプロダクション)は東京で行われる。しかし撮影スケジュールの遅れなどにより、撮影現場の近くで後工程処理を行う事も予想される。その場合、撮影現場近くにVFX制作会社が必要になる。つまり「撮影プロジェクト」がVFX製作会社を引き寄せる事になる。やがて、「東京の仕事を足利でも出来る」となれば、生活環境とインフラコストにおいて勝る足利での編集が中心となる。
 北関東道+東北道の利用、東武鉄道の利用により東京との移動は短時間なので俳優さんなどは日帰り活動できる。言い方を変えれば、田舎が嫌いな人でも、仕事が忙しい人でも、自分の家が大好きな人でも、安心して撮影に臨める。

【効果】
 撮影需要は定期的なものではないので、臨時雇用…つまり日雇い、期間労働などのアルバイト、パートの需要は増大する。
 求められる仕事は簡単な作業や力仕事が中心なので誰でも出来る仕事。雇用の裾野が広い。
 消耗資材/具体的には木材、塗料など加工度の低い資材需要が高まる。
 撮影に必要な備品類は既存の取引先からのレンタルになる。  
 仕出し弁当、デリバリキッチン(出張調理)などの需要が高まる。結果として調理師などの需要が高まります。
 スタジオが誘致されれば、運営スタッフが必要になるが、地元採用は当然、下働きから。
 スタジオ機材のメンテナンスは、機器の納入元が行う為、当然、市外企業が担当。しかし出張所や部品供給センターなどが市内に営まれる。 
 撮影・音響機材の運用は通常、撮影スタッフが行うが、撮影スケジュールの変更などで緊急需要が発生する事も考えられる。
 撮影スタジオが存在し、撮影を行う以上、利便性を考え隣接地にポストプロダクション工程を行うVFX制作会社が立地される。(重要)  
 VFX制作会社が集約される事で更にスタジオの重要性が高まる。(重要)  
 VFX制作会社はデジタル送信でデータのやり取りが出来るので、世界中の仕事を足利で行える。(重要) 
 グラフィックスのシステムは、スーパーコンピューターで利用される並列演算と技術を共有するので、スーパーコンピュータ関係への人材活用も広がる。
 VFXの技術は、ゲーム、アニメーション、科学シミュレーションなど応用範囲が広く、映像以外の需要が高まる可能性がある。それにより、VFX制作会社の下請け会社が足利市内に増えていくことも予想される。

 今の所、足利は若者が夢を抱いて働ける場所も少なく、街は荒れ、野山も荒れ、耕作放棄の田には雑草が茂る有様。(個人の感想と認識です。)
 若者の求める職場は良い3K職場(キレイ、カッコイイ、金になる)というのは今も昔も同じです。その職業に就けるかは勿論、本人次第。
 将来、 「撮影スタジオ」が出来、それを支援する「映像製作の会社」が足利にオフィスを構え、支援する会社が増え、足利にそうした良い3K職場が増えれば、若者達も夢を抱いて生活できるようになるでしょう。(まぁ、実際のコンピューター関連の仕事は本当の意味での3K(キツイ、キタナイ、キケン)ですけどね…)


これからは夢が膨らむ「足利」になるかな?

 これまでの歴代の足利市のリーダーが掲げたような「活性化プラン」は、物を用意して人を誘うという前近代的で陳腐な発想ばかり。企業誘致は高速道路を作って工業団地を造成すればやってくると思っていたのか?大きな病院を作れば市民が幸せになると思っていたのか?疑問ばかりです。
 でも本当に足利の為になるのはこの構想のような「高度な仕事と高度な人材育成」が必要となる企画です。(必要が発明の母ですから)
 そうしないと若者が足利から逃げ出してしまい、歴史のまち足利ではなく、歴史(老人)に埋もれたまちになってしまうでしょう。

 若者が住める街にするためには、若者が求める仕事が無ければならない。
 若者が求める仕事に就くためには、若者を導かなければならない。
 それが我々中年・老人の役割なのかなと思います。